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追憶の旅 [たび]

10代のころからぼんやりと鉄道に乗って気ままに知らない駅で降りて時間を潰すのが好きだった。特別な名所や名物もちゃんと抑えてはいたけれど、そんなことより遠くまで電車で行くことと知らない場所につくことが楽しみだった。そして、あれから40年の月日が経ちもう一度あの駅に降り立ち自分の居た時間を思い出す。けれども多くの場合駅前は綺麗になり、逆に商店街はさびれ学生たちでむせ返った車内には老人が数人。そして駅員の姿はなく駅弁の立ち売りは何処にもいない。僕はそんなにながい時間を生きてしまったか、日差しも風も変わっていないはずなのに。
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