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寒さむと遠野 [昔語り]

こんな風の強い日には寒戸の婆で出そうな日だ。遠野物語だが寒戸とと言うと本当に寒い感じがする。もう、ずっと行っていないが若いころ遠野に毎年のように行き、秋祭りに出て冬は吹雪の中を歩いていた。河童ぶちに行きとおぬっぷに登り、農道を自転車で駆けていた。秋の月夜の晩にススキの小原から見上げた月はなんだか涙があふれた。何かを抱えやってきて何かを放り出して帰る、そんなことを数年以上やっていた。また、いつか遠野物語
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追憶の白い頬 [昔語り]

どこかで嗅いだ香りを振りまいて
夕映えは白い頬を一層赤く染めていく
夏服の人は遠い昔の写真のように
僕の心の中に張り付いている
握った手の汗も触れた髪の残り香もそのままに
橋の上で見た蜻蛉の儚さと
過ぎ去りしものへの哀惜

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笑える過去 [昔語り]

昔僕のことが好きだった人がいたらしい
僕が生きてきた時間の縦軸に
それは結構な頻度で現れて
ただ僕はそれにほとんど気づいていなかった
そんな時期があったのにそのまま大人になり
やがては誰にも相手にされなくなった
それでも何時かは心を通わせる人に会い
その人が腕の中にいる
僕にも人を引き付ける何かがある
ずっとわからないできたけれど
これからもわからないだろう
自分の良いところなんて恥ずかしい
長所なんて知らないほうがいい
僕はそう思います

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置き去りにして [昔語り]

実家の昔の自分の部屋は何もかも黄色く時間色に変わり
何もかも擦り切れそうになっている
僕がこの部屋の主だったのはもう40年以上も前のこと
あれから僕は東京に出ていき父母は亡くなった
兄が一人古い家を守っている
時間は酷く残酷だだって過ぎ去った現実を
これでもかと塗りこもうとする
いくつもの時代が湧き上がり消えていった
想いは彼方まで飛んでやがて消えた
さようなら若き日々たち

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あの日は帰らない [昔語り]

あれから随分時は流れて
送られてきた同窓会名簿で
物故者の中に君の名前を見つけました
友達に聞いたら卒業してすぐに
病気になって1年も立たないうちに
亡くなったそうです
僕はそんな人を追いつづけたのか
ただの疫病神だったのか
でもね喫茶店で少し伏し目がちに僕を見て笑った
通学電車で僕の横に座って
頬寄せる君の白い顔忘れない

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風に消えた [昔語り]

風に流れて消えてしまいそうな君の姿を
追いかけて懸命に追いかけていた
どんなに声をかけても振り向いてくれない
どうしてそんなに急いで何処へ行くの
まるで何かに追いかけられているように

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別れた人の数を数えてみる [昔語り]

長く生きてきて本当の意味で僕を好きになってくれた人はどれくらいいるだろう。付き合った人なんて5人しかいない、あとは気持ちを伝えてくれた人が数人ばかり、これって少ないのかな多いのかな?自分から付き合ってほしいと言ったのは2人、うち一人が今の奥方、もう一人はその前の彼女。ドキドキするような楽しい思いはしたのかな?うまく行ったときのことはほとんど覚えていない、若いころの辛い思いばかりかな、覚えているのはね。
口元が痙攣するような感じで、お互に目も見つめられない、そんなことがこんな私にもあったのに。あんなこともうないよな、爺さんがときめいていたらちょっと怖いか。


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ふるさとの記憶 [昔語り]

ふるさとの山や川、何一つとして忘れない。あの村を出てからもう50年が過ぎて、数年前に帰った時にほとんど変わっていないはずなのに別の世界に思えた。道は立派になり鉄路も健在だけど、人がいない人の匂いがない。涼やかだった麦畑は荒れて草ぼうぼう、山間の水田は荒れ果てて、実家への細道は罅だらけ。竹藪は勢いを増して人を寄せ付けない。子供の頃遊んだ祖父の家は藪にすっぽり取り囲まれて長い時間を感じさせた。多くの集落が消えて多くの人の営みが消えた。友たちの実家も消えてしまった、我が家はかろうじて人が住める程度。母と山菜を背負子を担いで分け入った里山、田植えや稲刈りに駆り出された沢沿いの水田、芝滑りをした裏の茅山、魚を取った小川、皆荒れ果てた。地域の行事も途絶える危機だと言う、庚申様、御日待ち、お伊勢講、御接待、花まつり、芋名月、秋祭り、近所では亥の子、精霊流しも絶滅危惧種だ。変わり果てたよな大分県大野郡清川村、今は名前だけ市になっても。


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さげすまされた日常から [昔語り]

ただの気まぐれだと思っていた
僕は誰にも好かれないと思ってた
あの子は僕の胸を酷くたたいた
何も言えないほど恋に落ちた
変わった子だねとずっと言われていた
いい子じゃないとも言われていた
かっこいいとか言われたこともない
悪いふりもしていなかった
先生にとっては言うこと聞かない
騒がしい癇癪持ちの手に負えない子
だけど少しだけ押さえられるようになって
高校生になった
そんな時戸惑いながら
生き方を捜していた僕に
あの子はぐいぐい僕を引っ張った
皆からあんな奴何処がいいのと
きっといわれただろうに
そんなことはお構いなしに
あの子はすっかり僕を虜にした
隅っこで膝を抱えていた僕に陽の光が当たった
少しでも生きて行こうと思った
遠い昔のことだけど一番命を吹き込まれたこと

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受験考 [昔語り]

私の時も受験があり、共通一次試験と言う一斉試験があった。対象は国公立受験者のみ(産業医科大だけ例外)5教科7科目必須で問題レベルは高くなかったものの国立を目指すものは大変だった。文系でも数学Ⅰ、理科も化学、物理、地学、生物の中から2科目選択、みんな苦労していた。数Ⅰは苦手な人も多くその時点で私立文系に決めて行く人もいた。現役の時に受けたが少し舐めすぎていたのか、7割程度しか取れなかった。あたりまえだなあ、小学校の時以来教科書は家に持ち帰らない、宿題はしない、補習は出ない、勉強は悲しいほど嫌いだった、集中力が続くのは20分が限度(注意欠陥性のADHD)、大学なんて行けないよなあ、そう思いながらも、親に何の根拠もなく浪人すると言って、合格していた国立大学をやめた。翌年合格したからいいようなものの自分の行動がよくわからない。(翌年の一次試験はよくわからんが何故か9割を超えていた。でも国立は落ちた))
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