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かぎろひ [想い]

朝家を出る頃にはまだ日は昇っていない
けれども会社に着く頃には
東側に向いた窓の向こうが赤々と染まってゆく
昔読んだ人麻呂の歌のように
ひんがしの野にかぎろひの立つ見えて
かえりみすれば月かたぶきぬ
本当に群青色の紙に朱を落としたような
かぎろひがめらめらと吹きあがる
千年たっても変わらない光があった


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