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清流は何処へ [いなか]

あの日橋の上で見ていたガラスのような川面と翠滴る岸辺の風景半世紀を超えても変わっていないだろうかと真夏を連れて歩いてきた川辺に下りて足をつけて流れに委ねてみれば冷たく遠い日の感覚に目覚める
あれはこんなに胸が悲しみに沈むような体験だっただろうか懐かしい想い出のワンシーンではなかったかあの日失ったものは決して帰っては来ないそれはそうだけれど長い年月の間に癒され昇華され失われたはずではなかったか少年はもう老人となり心はひび割れて何も感ずることが無くなっていたのではないかさようならという言葉は悲しくもあるが全てを清めてしまう最後の兵器なのだありがとうだってそうだろう僕はずっとさようならありがとうと念仏を唱えている時間を消すために

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